映画「ジョゼと虎と魚たち」を観た

少し前からAmazon prime videoなどで配信がスタートした2020年公開のアニメ映画。新着配信リストを見るまではこの映画のことを知らなかった。あらすじを読み、身体が不自由な女性を支える男性の健気な姿に感動させてくるような話だったら嫌だなと思ったが、評価が高いのとPVが綺麗だったので観ることにした。

 

※ネタバレあります。

 

足が不自由で外出もさせてもらえず世間知らずのまま大人になったジョゼが、ストイックに夢を追いかける恒夫と出会うことで、世界の怖さに立ち向かい、世界の楽しさを知り、自分の夢を見つけて、恋をして、嫉妬をして、人を救い、社交性を身に付け、自立していく。

 

「健常者には分からん」、「自分は強い人間だと思っていた」、といった諦めから続く絵本の読み聞かせによる励まし。これは自分も相手と同じ立場にならないと分からないということではなくて、健常者も障碍者も関係なく、人間同士でお互いに支え合うことで前に進めるし、どのような状況であっても前を向いて夢を追いかけることができる、ということではないだろうか。

 

ストーリー展開の都合で起きる奇跡のような出来事がいくつかあり、これはフィクションでありファンタジーなのだから気にしないようにしたいが、もし恒夫が事故に遭わなかったら、今作ラストの幸せな光景を迎えることはできたのだろうか。ジョゼが他人を救うために努力し、前向きに夢を追いかけることができただろうか。

 

おばあさんの家の中は昭和の家具や家電で溢れている。時間が止まっているかのようだ。ジョゼを大切にしようとするあまり、ジョゼが自立できない程に甘やかしてしまっていた。しかし、おばあさんは自分の死期が近いことを悟っていただろう。恒夫にでも任せるつもりだったのだろうか。

 

映像がとても綺麗だ。海中を泳ぐ魚たち、空想の中のジョゼ、夕日の海辺、ジョゼの部屋など、リアルだったり幻想的だったりして、観ているだけでも楽しめる。

 

観た後でWikipediaを読んで知ったが、原作とも実写映画とも違うストーリーになっているらしい。特に実写映画はアニメ映画とは雰囲気がかけ離れていて驚いた。

 

 

 

以上。