アニメ感想「ハッピーシュガーライフ」

愛のカタチは人それぞれ…。

 

視聴理由

アマプラで配信されていた。キャラデザはかわいいが、レビューを読むと不穏な雰囲気が漂う。

 

全体感想

この作品に登場する多くの人物は異常者だろう。彼らの極端にデフォルメされた言動に、これはギャグアニメなのではないかと一瞬勘違いしてしまいそうになる。

作中の登場人物はそれぞれ違ったカタチで愛を表現している。それが愛だと公言していなくとも愛に基づく行動だったはずだ。でもそれらは全て独り善がりな愛だった。

それでもそれぞれに信念があって、お互いに想いをぶつけ合うので、狂った世界観の中にあるのに、言動に整合性が有って好きだ。

人によって愛や幸せの捉え方は違う。結末は立場を変えて色々考えると頭の中がぐちゃぐちゃになる。

ホラーっぽい演出や、時間を使ってじっくりと描写される緊迫のシーンによって、毎回ハラハラドキドキしながら観ることができて楽しかった。

 

コミックではその後が読めるらしい。近いうちに必ず買う。

 

 

 

各話感想

1話

かわいらしいキャラデザや雰囲気とは裏腹に、登場人物が全員狂ってる。すぐに告白する男たち。愛の王国を作る店長。小さい女の子を拾って一緒に住んでる主人公。私の住む世界の常識とかけ離れ過ぎていて訳が分からない。とりあえずこの狂気の世界を楽しんでみようか。

OP曲「ワンルームシュガーライフ」は好き。ナナヲアカリとナユタン星人がコラボしている「チューリングラブ」や「恋愛脳」も好きだから、このふたりの曲なら好きなのかもしれないな。

 

2話

Bocky…。

先生気持ち悪いと思っていたらやっぱり気持ち悪かった。三星くんも歪んじゃった。

しおちゃんを探している人も多分イカれてる。誓いの言葉をしおちゃんが覚えてるのは普段から言われてたからかな。

さとうは自分が周りの変態たちと同じで歪んだ愛し方をしていることに気が付いていない。

しおちゃん記憶が無さそうなのはなんでだろう。

ヤバい人が集まってきた。しおちゃんに平和な未来は訪れるのだろうか…。

 

チンピラを助けるシーンでBLEACHみたいなBGMが流れたので調べてみた。

ハッピーシュガーライフ「狂気」の一部にBLEACH「on the precipice of defeat」と似た部分があるようだ。サンプリングなのかな。

 

3話

父親はDVで母親は恐らく失踪していて、結局しおちゃんに戻る家は無いんだな。だからと言ってさとうはイカれてるし、どうなるんだろう。

三星くんの要求は予想外だった。相当な傷を心に負ったんだね。だから泣いてるのかと思ったらヨダレでドン引きした。可哀そうだけど壊れちゃってもう駄目だね。子供体温とかいう単語は真面目に気持ち悪すぎる。

それでも登場人物全員どこか極端におかしいのがこの作品の良い所だ。

 

4話

さとう、それは愛じゃなくて軟禁だよ。まるで室内飼いのペットだな。さとうのおばもDVを受けてもそれを肯定するような人だったようなので、普通の愛というものを知らずに育ってしまったのだろう。

しおちゃんは昨晩の出来事が怖かったから三星くんと話したことを記憶から消したのか、さとうに嫌われたくなくて嘘を吐いたのか。どちらにせよ原因は母親かな。しおちゃんが描いた絵が怖い。段々闇の部分が漏れてきた。さとうに気付かれたらどうなるのか。

そしてまた変態が増えた。変態ノルマでもあるのか。

 

5話

すーちゃんまた極端な変態だなと思っていたら、やっぱりさとうがそれをはるかに超える対応。相手を受け入れておきつつ釘を刺す。変態のコントロールが上手すぎる。

作中唯一の常識人であるしょうこちゃん。ヤバい人たちに絡まれ始めたが無事に生き残れるだろうか。

罰とか言ってるけど全員自分勝手な思い込み。最初から最後まで皆自分のことばっかりなんだなあ。

 

6話

やっぱりしょうこちゃんが唯一の常識人にして聖人。そして人を愛することができているのもしょうこちゃんだけ。だからこそ危険の中にどんどん踏み込んで行く様子にはハラハラした。次回に持ち越しだがどうなる。無事でいてくれ!

太陽じゃなくて月なのは何故だろう。家庭環境が夜のように暗いからなのか。

 

7話

一応しょうこちゃんは無事で済んで良かった。

冒頭の北埋川劇場でもしやとは思ったが、おばさんが出てきた。でも傷だらけで異常行動をとる。今でも殴られ屋をしているのか。心を読んできて欲を受け入れようとする。怖すぎる。さすがにしょうこちゃんでも受け入れられないか。そんなしょうこにさとうが秘密を打ち明けないのは優しさか。

袋の中身は画家のお兄さんだと思われる。普通の人っぽいが何があったのだろう。次回もお兄さん視点だと殺されるとき怖いのでやめてください。

 

8話

お兄さんの一人称で声は電子音のようなノイズになって聞こえない。でも何を言っているかは何となく分かるという演出は不気味だった。

しおちゃんはどこから拾ってきたのだろう。

三星くんあと少しで普通の人間の皮を被れたのに。靴下からミルクの匂いがするわけがないだろうが!

しおちゃんは何故こうも人を狂わせてしまうのだろう。

 

9話

あさひくん三星くんに言い過ぎでしょ!本当のことだけど。体調が悪そうなのに頭は良く回る。しょうこちゃんは心の支えになってくれると思ったのに。良い人ほどすぐ死ぬんだ。

しおちゃんの口移し。一体どこで覚えた。天然か。

ちょっと外出ちゃってヤバい!と思ったら写真撮られてびっくり。やっぱり外は危険がいっぱいです。

警官のお兄さん結局誘惑に負けてた。辛い時に自分のことを分かってくれるかも知れない人に会ってしまったら仕方がないのかな。

特殊ED。セリフは無いが、しょうこちゃんが必死に説得しているのが分かる。でも常識人ではさとうと理解し合うことなんてできなかった。さとうは何故ここまでしょうこちゃんを拒絶するのだろう。

しおちゃんも耳を塞いでいる。普段ほわほわしてても察しているんだ。さとう、これは虐待だよ。

包丁で刺すシーン。じっくりねっちょりやりすぎ。見てて苦しい。グロすぎる。玄関血まみれで返り血浴びて、これからしおちゃんとどう向き合うのか。

捻くれた見方をすれば、しょうこは裕福な家庭環境で育った。劣悪な家庭環境で育った人たちを憐れんだ。対等ではない。

あさひくんとさとうが対面するのも時間の問題。しおを取り戻せるか。

 

10話

しおちゃんは少しずつ意志を取り戻していく。どんなに母親が狂っても支えようとする無償の愛がさとうを満たしていた。足りないものを補うようにお互いが求め合ってしまったのか。さとうの独り善がりな愛でさえも受け入れてしまうとは。

しおちゃんとあさひくんの再会は次回か。思い出した後どうなるのか。

 

11話

黒い服は喪服なのか。

さとうはおばさんの反対をやろうとしているだけかも。だからしおしか受け入れられない。心の奥底ではしょうこちゃんのことが大切だったのかな。でも自分の行動に一貫性を持たせるためには殺すしかなかった。

三星くんはまた年上のお姉さんの餌食になったか。もしかしたらおばさんなら満たしてくれるかな…。

 

12話

死ぬことで永遠を手に入れてハッピーエンド。

いや、誰も報われなかった。大人は全員破滅した。しおちゃんは一生自分の殻に閉じこもるだろう。あさひくんはこれからどんなにそばにいても、しおちゃんを変えることはできないだろう。歪んだ者同士がひとつになってしまったのだから。

どうすれば良かったのか。さとうが最初からしょうこちゃんにしおちゃんを紹介していれば良かったのか。おばさんとあった後でも親友だと言えれば良かったのか。

さとうだけは救われてた。最期はしおちゃんに抱かれながら幸せな夢を見て、自分のためではなく、しおちゃんのために命を懸ける。ついに本当の愛を見付けたのだ。

 

以上。