ブラック企業体験記

最近、ビッグモーターの諸問題がニュースになっていたり、ドラマやアニメでもブラック企業やブラック職場がモチーフに使われたりしている。

以前私が勤めていた職場も、メディアに取り上げられているような過激さはなかったが、今になって思えばブラックだった気がしてきた。

ブラック企業にも様々な形態が存在する。パワハラがあるとか、サービス残業があるとか、ゴルフボールで車に傷を付けさせるとかだ。

果たしてあの職場はブラック企業だったのか。実体験を思い出しながら検証していきたい。

 

 

ブラック企業の定義を考える

まずはブラック企業であるかどうかの判断基準を考えるために、いくつかのサイトから情報を収集する。

 

① 労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す

② 賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い

③ このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う

https://www.check-roudou.mhlw.go.jp/qa/roudousya/zenpan/q4.html

 

長時間労働・過重労働

 月80時間以上の残業

・休日が少ない・有給が取れない

 年間休日数の下限の目安は105日

・給料が低い・最低賃金を下回っている

・残業代が出ない

・謎の雇用契約

 管理職だから残業代を出さない

 残業代が給料に含まれている(みなし残業)

 1日の所定労働時間が10時間(変形労働時間制)

・従業員の入れ替わりが激しく離職率が高い

 不当解雇や退職勧奨も多い

・募集要項にやる気や情熱の言葉が多い

・上司や社長は絶対のトップダウン

パワハラやセクハラの横行

・精神論がよく出てくる

https://roudou-pro.com/columns/57/

 

・残業時間についての基準

 月45時間
・労働条件についての基準

 最低賃金を下回っている
 説明なく一方的に賃金を下げられる
 サービス残業が横行している
 休日が年間105日を下回っている
 有給休暇を自由に使えない
 45分又は1時間の休憩時間が与えられない
・人事権についての基準

 合理的な理由なく解雇される
 退職届を出していないのに退職扱いされる
 会社に不都合な意見を言うと降格や転勤を命じられる
 退職届を出しても退職させてもらえない

・ハラスメントについての基準

 パワハラやセクハラが行われているのにこれを是正する措置が講じられない
 パワハラやセクハラを相談する窓口がない
 パワハラやセクハラを相談することで不利益な扱いをされる

https://legalet.net/black-company-definition/

 

ブラック企業の定義のまとめ

私なりのブラック企業を定義する。

①月45時間以上の残業が常態化している。

②年間を通して月80時間以上の残業があることがある。

③休憩時間に仕事をさせる。

④年間休日数が105日未満である。

⑤理由を付けて残業代を出さない。

サービス残業がある。

離職率が高い。

経営判断が絶対のトップダウンである。

⑨不当な解雇がある。

⑩退職届が受理されない。

パワハラやセクハラがある。

パワハラやセクハラの相談窓口がない。

⑬有給休暇申請が受理されない。

⑭精神論が多い。

 

ブラック企業かどうかの検証

私が以前勤めていた職場の状況を書いていく。

 

・年間休日数は125日以上あり、土日祝日や年末年始、お盆、ゴールデンウィークも休日となっていた。

・基本給は大卒1年目で18万円程度。みなし残業として5万円程度が付く。

・30歳くらいまでの単身者には社員寮が与えられる。

・残業時間は月60時間から80時間程度。みなし残業を超過する分は支払われない。

働き方改革を契機にみなし残業が撤廃されたが、ある人は管理職にされたため、実質賃金が減少した。

・朝の清掃15分間の給料は支払われない。

・週の初めには1時間早く出勤して週報の発表会をする。働き方改革が始まるまでは無給だった。

・朝礼では当番の人が日替わりの経営理念を読んで感想を述べる。

・経営理念の書かれた本を10人位で集まって音読する。週に1章ずつ読んで、一人ひとり感想を述べる。感想に対してリーダーは一言返す。

・見た目は派手でダサくて着れば恥ずかしく機能性も悪いオリジナルデザインの作業着を着る。

・作業着のデザイン会議で苦言を呈した従業員は次の会議から呼ばれなくなった。

ランチミーティングは無給だが、当然仕事の話をしなければならないし、代わりの休憩も無い。

・オンライン英会話1回30分を半年で50回受講する。業務時間外に受講しなければならない。給料は支払われないし、受講回数が足りない分は罰金として1回1000円が天引きされる。

・月に一度の営業会議は定時を過ぎてから始まる。およそ2〜3時間使う。働き方改革から定時内に始まるようになったが、その分長く会議をすることができるので、結局残業になる。

・営業会議が終わったら食事会を必ずする。参加者がそれぞれ1000円ずつ出して鍋をやる。材料の調達は日中に新人がやる。

・現在は改善されたが、会議中に不満があると椅子を投げるような社長だった。

・年に一度の社員旅行はやむを得ない事情が無い限り必ず全員参加しなければならない。旅行は土日を使う。

・暑気払いや忘年会には社長が必ず参加する。

・健康診断を受けなくても何も言われない。

・毎年8人前後入社する新卒は3年後には半分、5年後には誰も残らないということがある。

 

結論

私が以前働いていた職場はブラックだった。

 

最後に

以前はブラックではあったが、現在はある程度改善し違法行為を避けるようになったらしい。かなりストイックな社風で、高い目標を立てて、限界を超えて頑張って、それを周囲にアピールする人が評価される。

上の検証の内容を受け入れられて、会社のためならモーレツに働けるという人には是非入社してほしい。業績は常に右肩上がりで、事業をどんどん拡大している。これからも期待できるだろう。

ただ、私には合わなかった。それだけだ。

 

以上。