「聖女に嘘は通じない」を読んだ

薬屋のひとりごとで有名な日向夏先生の書き下ろし小説。ニコニコ漫画でコミカライズが掲載されていて知った。小説は1巻で完結ということで、連載を時間を掛けて追うよりはさっさと読んでしまおうと思い、購入を決める。

 

レーベルはアリアンローズ。ハッキリと女性向けと書かれていて、異世界を舞台にイケメンとのロマンスがあるような小説が多くラインナップされている。ライトノベルすら普段は読まないのに、少々マニアック寄りのレーベルなので不安になった。

 

ストーリーは聖職者の主人公が聖女選抜試験に聖女候補として潜入して、前回起きた殺人事件の犯人を追うという内容。主人公は高い洞察力と記憶力を持ち、お金に目が無く、カード賭博で荒稼ぎしている。

 

文体は相変わらず淡々とあっさりしていて簡単に読める。推理モノらしく謎が提示されては回収されていくが、これらが読者に引っ掛かりを持たせつつ、世界観の補強をしている。

 

恋愛要素はほとんど無かった。イケメンと密着したくらい。レーベル的にはイケメンがもっと良い所を見せるべきだったのではないかと。

 

中世ヨーロッパ風の異世界薬屋のひとりごとの風味を入れると本作のようになるのかもしれない。似ているのは主人公で、サバサバしているけど、好きなモノには目が無くて、本当は優しい善人だ。歯に衣着せぬツッコミをするのも共通。

 

日向夏先生のノリが好きな人なら読んでも良いと思う。

 

以上。