ネタバレしかしません。
思春期の中高生にありがちな精神的なあれこれと向き合う物語。思春期症候群はその物語に色を付ける程度の少し不思議な現象で、これ自体の解明が目的ではない。当然科学的な説明も気にする必要は無い。無気力そうなのに実はお人好しな主人公が悩めるヒロインたちに寄り添うことで問題を解決していく部分が大事だ。
登場人物は相手のことを思いやれる良い人ばかり。でも素直に言葉にして伝えられるわけではないので、すれ違って傷付く。だからこそ問題解決には優しさが溢れていて、視聴後の感覚は心地よいものになる。
コメディとして面白いのは咲太と麻衣さんの軽口の叩き合い。でも咲太はセクハラ発言をするし、ラノベらしいクドイ言い回しも多い。私は慣れたら逆にそれが楽しくなってしまった。
各話感想
1話
SFだった。タイトルが強烈過ぎたので気付かなかったが、パロディ元を考えると納得する。
主人公の咲太が消えた麻衣さんを見付ける物語だということは分かった。
ラノベ原作っぽい言い回し。デリカシーに欠ける下ネタと距離感がイカれた実妹は苦手だが、思春期症候群の設定に惹かれるので、引き続き視聴する。
ところで次回からはバニーガール姿にはならないってことですか。悲しいですね。
オープニング曲はとても良い。
2話
ほとんどデート。普通にラブストーリー。でもその狭いベッドで寝るのはどうかな。次回が恐ろしい。
翔子さんも消えたのかな。認識されなくなる条件は何だろう。対策として有力っぽかった芸能界復帰も無理ってどうなるの。
咲太はテンション低いキザ男だけど欲望に忠実で誠実なところもあるから嫌いじゃない。スカしたキザ男は嫌い。
3話
これが愛なんだなぁ~。
かすかな記憶から思い出して、全校生徒の前で告白する。空気をぶち壊すにはこれくらいぶっ飛んでいないと駄目なんだ。
4話
カッコつけてるけど攻められると弱い麻衣さんはとても可愛い。我慢できずに家に行ってしまうのも健気で良い。
教卓の中で密着なんてうらやましいことこの上ない。
話の肝は思春期症候群ではなく、思春期特有の諸問題である、ということか。むしろ諸問題を解釈し直して世界に影響を与える形にしたものが思春期症候群か。
5話
かえでと仲良くなって喜ぶ麻衣さんも可愛い。
咲太と麻衣さんの軽薄な会話のやり取りが楽しくなってきた。
グループの友達に合わせて生きるのしんどそう。これが現実でも本当に存在するらしいって言うから恐ろしい。
全部肯定して助けてくれる男に惚れないわけがなかったな。
最後はスカッとしたけど、今度はバスケ先輩の立場が無くなるのかな。簡単にコロコロ変わる人間関係の薄っぺらさに寒気を感じる。
6話
直前でやっと予想できたが、理由が変わってループが再開するのは面白い展開だと思った。全部まるっと解決したら最初からというのもモヤモヤも無くスッキリできて良い。
いずれにせよ、気持ちに折り合いが付けば現象は止まる。心の問題だ。
7話
翔子ちゃん可愛い。でも今回のメインは双葉だ。
国見への想いがドッペルゲンガーとして表出したということだろうか。それにしては外見や裏アカがオリジナルとはかけ離れている。
自然な流れで自宅にハーレムを築く。さすがラノベ主人公。
8話
もう独りぼっちには戻りたくない。そう思わせる程に良い友達が異性なのは複雑だ。いつか離れていくかもしれないという不安が付きまとう。
9話
今度は麻衣さんが巻き込まれる側。
ただでさえ人間は他人と比べがちなのに、身内にすごい人がいればコンプレックスにもなる。そんな人と入れ替わってその人になりきるなんて無理だろう。
10話
入れ替わりってそっちか。びっくりした。
憧れになってみたけどなりきれず。結局自分らしくやるしかない。
11話
麻衣さんに理解がありすぎる。完璧。
かえでが何故ここまで重症なのかよく分かっていない。でも自分から前に進もうとする姿や支える周りの人達にはほっこりする。
12話
兄妹にしては距離感おかしいとは思っていたが、経緯を考えると納得できなくもない。
目標をほとんど達成して前向きに明日を迎えようとした途端こうなる。元に戻ったのは良いことであるはずなのに、一緒に頑張ってきた分辛い。頑張ったことすら覚えていないことも辛い。
13話
翔子さんの謎を残して終わり。かと思ったら劇場版があるとのこと。彼女は都合良く表れるので、双葉が言うように咲太の空想に思える。もし本当に空想であるならば、麻衣さんへの裏切りになるので無いとは思うが。あとは胸の傷と幼いそっくりさんがいるのが謎だ。
花楓の方はダイジェストっぽくなってしまったのが残念。もう少し余韻を味わわせてほしかった。でも日記を読んでかえでの想いを継承していく部分は良かった。
青春ブタ野郎はゆめみる少女の夢を見ない
存在が消えてしまっても、きっと心には残り続けたのだろう。だから咲太はかえでの思春期症候群の件から立ち直れているし、麻衣さんを救っている。麻衣さんも何故か分からないのに難病を題材にした映画に出演していた。
もう何も思い出せないけれど、確かに影響は受けてる。相手の幸せを願うそれぞれの想いが積み重なって、最後には全員が幸せになるのだから、これで良かったと思える。
その分辛いシーンも多かった。私が特に印象に残ったのは逃避行を始めようとする麻衣さん。最初の方の話と重なる部分もあり、もらい泣きしそうになった。普段クールぶってる分のギャップもある。
最終的には想像の余地を残しつつもアニメから続く集大成としてきれいな終わり方だった。
以上。