昨年4月から放送されていたアニメ。ある評判が頭に残っていて、アマプラから消えてしまう前に観ることにした。
百合というジャンルに対して馴染みがなかったが、終始ギスギスしていてヒリヒリするような雰囲気の人間関係を描いたこの作品は私の好みに合致した。
主人公は生まれ持っての容姿を活かして、外面を良く振る舞うことで周りの人々に愛されることを信条としている。
しかし、時々うっかりした性格をしていたり、いまいち空気が読めていなかったりするので、ボロが出てトラブルになる。
つまり、外面を完璧に維持できる程上手く立ち回れるような性格ではない。
そんな主人公がやらかしていく様子がもどかしく思いつつも、どう切り抜けていくのかを見守りながら観るのが面白かった。
視聴中に主人公に対して、そんな仕事はやめろ、と思う人がいるかもしれないが、それはこのアニメのコンセプトを理解していない。
舞台としてコンセプトカフェがあり、現実の人間関係とカフェでのそれが妙な形で結び付いて進展していくのが面白いのだ。
嘘を吐いて外面を作ることについてよく考えられた作品だった。人間は相手や状況に合わせて大なり小なり仮面を被っているものだが、主人公はそれが極端なだけだ。そしてそれを馬鹿正直に一番の友達に打ち明けてしまう。自分で自分を嘘つきだと言う人のことを信じられる程の信頼関係を作ることは難しい。
あと、外面が全部嘘とは言えなさそうだ。本心の延長線上にあって、全くやりたくないことというわけでもない。
主人公ペア。見掛けは変わらないのに内面は昔以上に近付いているのが面白い。普通に仲直りして昔のようにお喋りすることはないのだろうか。最後の方で連弾している様子がちらっと映ったのは良かった。
謎なのが、なぜ誰からも好かれようとするのか、なぜ外面で生きようと考えたのか。
キャラデザは最初は微妙だと思っていたが、動きが加わると良くなってきた。たまに作画がリッチになるというのもある。愛嬌があってかわいらしい。
コンカフェ。実際はどんなものなのだろう。これだけ徹底して役に入り込んでいる店なら行ってみたい。
以上。